大切なピアノの適切な保管方法(アップライトピアノ・グランドピアノ)

大切なピアノの適切な保管方法(アップライトピアノ・グランドピアノ)

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アップライトピアノやグランドピアノなどを持っていて、家のリフォームや建て替え、転勤などを理由に一時的にピアノを保管しておきたい場合の適切な保管方法についてご案内します。誤った方法で保管してしまうと、ピアノが傷み、これまでの音を奏でることができなくなってしまうことがあります。

温度と湿度管理・防虫が重要

温度と湿度

ピアノはその大部分が木材でできているため、温度変化にとっても敏感です。暑くなったり寒くなったりを繰り返すと木に歪みが生まれ、変形や収縮によって音の響きが変わったり、接合部分が故障し、音が出なくなることさえあります。

日本の夏は湿気が多く、湿度が高い状態が続くため、木材が湿気を吸い込み、その状態が続くと、木が傷んだり腐ることでピアノが故障することがあります。また、冬でも結露によって、弦や躯体部分に錆びが発生して故障の原因となることがあります。

ピアノに最適な環境は、温度が15~25℃、湿度が40~60%程度で、人間も過ごしやすい温度や湿度を保つことが重要です。

夏は乾燥剤・除湿器・ドライを使う

夏はピアノにとっても、苦しい季節となるため、楽器用の乾燥剤や除湿器、エアコンのドライ機能を使用して適切な温度・湿度を保つようにしましょう。急激な温度変化にも敏感なため、徐々に温度を下げていくようにしましょう。

冬場の過度な乾燥に注意

冬場は乾燥しているため、比較的ピアノをいい状態で保つことができますが、エアコンの暖房によって、湿度が下がりすぎると、過乾燥状態となりピアノの本体や鍵盤にヒビが入ってしまうことがあります。湿度が40%程度になるように加湿器等で調整をしてあげるといいでしょう。

防虫

意外と忘れがちなことが「防虫対策」です。ピアノは良質な木材でできているため、居心地のよい環境を好んだ虫たちが穴をあけてしまったりすることがあるため、一軒家や窓越しにピアノを置いてある場合は、防虫対策もしっかり行いましょう。

また、虫だけでなく、ネズミなどの小動物がペダルのすき間から侵入し、ピアノ内部に使われているフェルトや布類を食いちぎる被害もあります。

ピアノを預かってくれるサービス

ピアノを保管するためには、温度・湿度・防虫の3つが適切に管理されていることが重要なポイントとなります。安価で保管をできたとしても、ピアノの状態が悪くなってしまっては元も子もありません。

ピアノ専門の貸し倉庫・トランクルーム

ピアノの一時預かりをしてくれるピアノ専門の貸倉庫や、ピアノが収納できるトランクルームがあります。トランクルームには色々な種類がありますが、屋内型で空調や湿度管理がなされていて、防犯カメラ等が設置されている施設がおすすめです。

トランクルームに預ける場合、ピアノを収納していいかどうか事前に運営会社に確認しましょう。(ピアノは重量が200kg以上あり、施設によっては重量オーバーで断られる場合があります。)

出し入れの際には必ず専門業者へ依頼する必要があるため、私はピアノ専門でやっている貸し倉庫やトランクルームをおすすめします。

ピアノ運送業者

ピアノ運送業者の中には、一時預かりに対応していることがあり、ピアノ専門の運送業者であれば、預ける時と再び設置してもらう時にもシームレスで依頼ができるので便利です。

運送業者にピアノを預ける場合は、運送業者の倉庫または運送業者が契約している倉庫に保管されることになるため、保管方法や温度・湿度管理について確認しておくといいでしょう。

楽器店

購入された楽器店やお近くの楽器店に相談すれば、ピアノ貸し倉庫や運送業者を紹介してもらえます。(大型の楽器店であれば、自前の倉庫で預かってくれることもあるそうですが、ほとんどの場合が提携業者を紹介される形となります。)

おすすめしない保管方法

屋外の倉庫・物置で保管

屋外に置いてある倉庫や物置は、温度や湿度の管理ができないだけでなく、水濡れや害虫・害獣の侵入によってピアノが故障してしまうリスクが高いため、絶対に辞めましょう。

保管するのがわずかな期間だとしても、ピアノは敏感な楽器のため、故障や破損することがあるため油断は禁物です。

許可なくトランクルームに保管

ピアノは一般的な荷物に比べてはるかに重量があり、その重さは200~400キロくらいあります。ビルでは床の耐荷重が定められていて、それを超えてしまうと床が抜けたり歪むなど危険な事故が発生する可能性があります。

トランクルームにピアノを保管したい場合は、必ずピアノを収納していいかどうか運営会社まで確認してください。

【執筆・監修】この記事を書いた人

ひろ

トランクルーム愛用者

ひろ

都内在住、自宅近くのトランクルームとクラウド収納(箱型とワイン用)を利用中。スーツケースや布団、冬物のコートをレンタル収納に入れています。また、しばらく見ないアルバムやDVD、熟成させたい赤ワインはクラウド収納に預けています。

※本ページは、独自に調査しまとめている内容のため、実際にトランクルームやレンタル収納・貸し倉庫をご利用する際は、各施設の契約内容・規約・条件等を十分にお確かめの上、自己の責任でご利用ください。